ふわもふぐ先生の呟き

中学校教員の日常と授業ネタ

自分で『読める』力をつけさせたい

どうも、ふわもふぐです。

今日のブログの内容はどちらかというと小学校高学年〜中高生向けになるかと思います。

 

さて、国語科の授業の中で非常に多くの時間を使っている(と思われる)のが『読むこと』の指導です。教科書に載っている物語や論説文をみんなで読んでいくわけですが、この『読む』ということが厄介だなと感じています。それというのも、読むのに必要な時間は非常に個人差があり、子供によってはもうわかってるよ…ということを先生が延々と説明していたり、逆に黒板に書かれていることを写すのに必死で内容をさっぱり理解できない子もいるからです。

 

ですから、国語科の授業の中で多くの時間を占める『読むこと』こそ、自分のペースで理解できるまで読み込むことが必要なのです。

 

今回はその方法の一つとして『グラフィックレコーディング』を紹介したいと思います。

 

 

もともとは本のタイトルにもあるように、議論を可視化するという狙いで書かれているのですが、これが論説文の読み取りに非常に有効です。

 

論説文は事実と意見を区別して読んでいくことが必要になりますが、事実や疑問を記号や矢印、簡単なイラストやグラフを使いながらまとめていくことで、本文を何度も繰り返し読み、文字面でなく内容を理解することができます。内容を理解していないと、事実を矢印で結びつけたり、筆者の考えを吹き出しで書き足すことができないからです。

 

小学校高学年や中1だとA3かB4くらいの大きさ、中2以降はB4〜A4で書かせることが多いです(もちろん、本文の長さにもよります)。条件は一枚の紙に収めること。題名も含めて、全体が一枚の紙に入るようにします。

最初に取り組むときは子供たちも書き方が分からずに悩むので、私も一緒に書きます。書きながら、途中で席を立って互いに見合います。私の書いているものも、もちろん見てOK。最初は手探りでも、子供たちの適応力はすごい!どんどん自分なりにアレンジして、2時間ちょっとで書き終えます。もちろん、単元計画や週時数によって時間も変えます。この後に、全体で確認が必要なこと(単元で学習するべき事柄)のみを確認します。すると、多くの子供たちがきちんと答えられるのです。なぜかというと、ひとえにしっかりと自分で読んで理解しているからに他なりません。

 

そしてこの実践の一番の強みは他の論説文でも使えることです。私は、どれだけ素晴らしい読み取りの実践をしても、他の文章を読むときに応用できないのでは意味は半減すると考えています。初めて読む論説文に出会った時でも、この経験を生かして簡単なグラフィックレコードを作り、読むことができればそれは財産になります。

 

国語科として、やはり全教科の基になるという考えのもと、生きて働く力をつけたいなと日々思っています。

今日はここまで。

次回は9年間を見通した国語科の授業について考えます。

 

読んでいただきありがとうございました!