ふわもふぐ先生の呟き

中学校教員の日常と授業ネタ

国語科9年間の見通し

どうも、ふわもふぐです。

 

突然ですが、私は筑波大学附属小学校の青木伸生先生が好きです。いえ、愛の告白ではないのですが。

前にいた北海道の研修で(北海道は教科研修が盛んだった。現任地は人権教育という名の研修中心で授業改善がない。コロナだったから今年が特別?そんなわけでもなさそう)、実技研修の講師として呼んでいたのが青木先生でした。フレームリーディングで有名です。

「フレームリーディング」でつくる国語の授業

「フレームリーディング」でつくる国語の授業

  • 作者:青木 伸生
  • 発売日: 2013/08/19
  • メディア: 単行本
 

フレームリーディングについては著書や追実践などがたくさんあるので一旦置いておくとして(いつか記事にするかもしれない)、今日は9年間の見通しについて書こうと思います。

 

小学校6年間、中学校3年間の義務教育なわけですが、その9年間を見通した授業プランというのが、国語科ではあまりなされていない気がします。

例えば、算数・数学科は明確なスパイラルが学習指導要領に組み込まれています。教科書の通りに進めていれば(もちろん教師の「○年生で勉強したよね」という声かけは必要だったにしても)積み上がるように組まれています。

しかし国語科の場合、例えば小6の『川とノリオ』で主題について教えなさいとはなっていません。違う教材が載っている教科書もあるでしょうし、違う物語文で主題に迫ってもいい。学習指導要領に明記されている学習内容を身に付けさせるのに、教科書が絶対ではないわけです。

だからこそ、国語科こそ9年間を見通す必要があり、意識的に授業を仕掛けていかなければならないのです。

 

なぜ最初に青木先生の名前を出したのかというと、青木先生も6年間を見通したフレームリーディングを提唱されているからです。でも、私はもっと大きく義務教育9年間の国語科を見通す必要があると感じています。

 

具体的に言います。国語の授業字数は、小学校1年生では年間306時間(週9時間)ありますが、学年が上がるごとに時数は減っていき中学3年になると年間105時間(週3時間)になります。この実態を知らない先生方は実は多いのではないかと思います。

たった3時間です。週3時間の中で、難しい論説を読み、魯迅の「故郷」を読み、作文を書き、スピーチや討論をし、漢字を覚え…小学校の先生方、絶対無理だと思いませんか?前述したミニ作文やスピーチ、漢字テストの実践をしながらなんとかやっていました(過去形なのは病休中だから)。でも逆に中学校の先生からすると、週に9時間(つまり週に4回は国語が2時間もある)も国語で何をやるの?と思われるかもしれません。

私も小学2年生を担任した時、その時数の多さに驚いたものです(当時はあまり考えていませんでした)。

 

9時間あれば、それこそゆっくり作文を書かせたり、話し合ったり、漢字を覚えさせたりできます。しかし、時数が多い分「今週の学芸会の練習は一時間国語で取ろう」なんてことも起きるわけです。残念ながら。行事で潰れるのも教科だったりします。

 

算数はやることが決まっているから削れない。でも国語はなんとか教科書終わるから削っちゃおう。これが横行していたのが、北海道の小学校でした(もちろん違うところもあると思います。少なくとも私の知る限りでは、です)。

 

でもそうじゃない。

低学年で時間のある時に、作文嫌いにならないようにミニ作文の実践をしたり、多くの漢字の基礎となる象形文字をしっかり学習することが大切で、必要なのです。小学校低学年から徹底して国語科の積み上げをやっていたら、きっともっともっと国語力の向上と、学力の向上につながるはずです。

 

これを呼んでくださる方の中に、もしも小学校低学年を担任されている方がいたら、どうかその先の未来を見てみてください。どんどん教科が増え、国語の時数が減っていきます。高学年になってからでは遅いです。中学校になってからではかなり厳しいです。辛いのは先生でなく本人です。

 

文科省の時数表貼っておきますね。

https://www.mext.go.jp/content/20200205-mxt_kyoiku01-000004708_9.pdf

 

 

今日は一旦ここまでにします。

次回から、ちょっと趣向を変えてみます。また国語については改めて。

 

読んでいただきありがとうございました!