ふわもふぐ先生の呟き

中学校教員の日常と授業ネタ

楽する作文指導!!しかも2観点評価しちゃおう

ふわもふぐです。いろいろ思うところがありまして、ブログも始めました。

どんな人なのかはTwitter を見ていただけたらと。

 

 

さて国語科教師として、そして小学校に勤務していた時も悩んだのが【作文指導】です。文章を書ける子は少ない!それは中学生でも然り、小学校でも然り。もしかしたら大人でも少ないのかもしれない、と感じています。

 

私自身は、昔から今でも本を読んだり、詩を書いたりするのは好きでしたし、高校時代に当時の個人HP全盛期(歳がバレる…)やTwitter、こういうブログも含めて読むのも書くのも好きで、その結果教師になっています。でも、相手にしている生徒児童の中には読んだり書いたりを苦手にしている子が多いわけで、それをテストで「できないね」って跳ね除けるのは違うなと思っているのです。

 

しかしながら、作文指導には手間も時間もかかるのも事実です。小学校の担任をしながらクラス全員の運動会の作文に添削して赤を入れていたら、時間がいくらあっても足りません。そして、赤を入れて返された子供も「こんなに直された」→「作文嫌い」になってしまうと肌で感じました。文章が書けるようになるためには添削は必要です。でも、先生も疲弊して子供も嫌な思いをするくらいなら目をつぶろうと、諦めた年もありました(若かりしの自分に猛省。クラスの子達ごめん)。

 

そんな中、200字作文の存在を知りました。詳しいことは書籍で。

 

要はお題に沿った短い200字の作文で、作文の『型』を覚えてしまえば誰でも作文を書くことができる、というものです。私は影響を受けやすい性格なので(良くも悪くも)、やりました!

 

中学校に異動して、40人学級4クラスでやったのですが…

 

結論から言います。挫折しました。

 

毎週、200字とはいえ160人分の作文を読んで添削するのはしんどいです。生徒たちに『型』で作文を書かせることはできましたが、それ以上には伸びない。

何より、こちらの手間がハンパないのです。毎週末に大量の作文用紙を持って帰って添削して、次のお題も考えて…。後悔しました。

 

そんな悩みを抱えた中、たまたま参加した研究会の中で「話すこと聞くこと」の指導を熱心にされている先生と出会いました。正直なところ、それまでの私は「読むこと」中心の授業をしていました。あとは漢字(漢字についてはまた後述します)。どうしても教科書にある「話すこと聞くこと」や「書くこと」の指導が後回しになってしまうのが課題でした。

 

さて、その先生の話の中で「私は毎時間のスタートに『トークショー』という名のスピーチをさせているんですよ」という話がありました。お題は決まっているけれど、原稿なしでクラスの前に一人ずつ立たせてスピーチしていく、という実践です。『スピーチ』というと堅苦しいから、『ショー』にして先生も生徒もうんと盛り上げるようにすると話されていました。

 

私は影響を受けやすい性格なので(2回目)、すぐに取り入れました。

ただし、前に失敗した200字作文も取り入れたのです。つまり、

①お題に沿って200字作文を書く

 ※お題に沿ったスピーチの見本を最初は教師が見せる。教師の自己開示になるので、生徒も興味を持って聞いてくれる。最初は笑える失敗談などがいい。教師の見本の後、授業の中で10分程度書く時間を確保する。

②次の時間から授業の始めにクラス全員の前で『トークショー』をする

 ※一回の授業で3〜4人程度。前の授業で誰が話すのか予告しておく。前に出る時に教師に原稿用紙を提出する。教師も生徒の席に座って、一緒に話を聴くのが良い。頷いたり、リアクションしたりして『聞き方』の見本を見せる。「話すこと」の評価として使える。

③授業後にスピーチ原稿を添削して返却する

 ※誤字脱字、文のねじれ、括弧の使い方、句読点の打ち方、接続詞や接続助詞の使い方、漢数字の書き方、段落の付け方、常体・敬体のズレ、題名と名前の書き方などをチェックし、「書くこと」の評価に入れてもよい。

④全員が終わったら『スピーチの反省』を書かせる。

 ※これはまた後述します。

 

という流れです。これならば、一回にチェックする作文は3人分です。時間にして3分かかりません。字数は発達段階や年度内の状態によって300字以上にしたり、400字以上にしたりしました。

 

スピーチの間は原稿を見ないで話すことにしていました。年度当初は原稿を丸暗記してスピーチに臨む生徒が大半でしたが、徐々に要点を頭に入れて自分の言葉で話すことができるようになってきます。

また、作文が苦手でうまく書くことができない子には、先にスピーチさせていました。スピーチはお題に沿って、しかも前に話した子たちの例があるので苦手な子でも話すことはできました。話した後に、話したことを作文用紙に書けばいいので、苦手な子でも書くことができます。

 

週に4時間ある中2の場合、毎時間3人ずつスピーチしても年間7〜8回行うことができました。一人一人の作文を年に7回チェックできると、かなりの子が10分以内に200字の原稿はすらすら書けるようになります。感触的には3回目くらいから、いわゆる低学力の子でも作文に取り組むようになります。授業では論説文を取り扱うので、その時に文の構成の仕方や段落の付け方などを学習すると、それを自分の原稿に取り入れる子も出てきます。400字を超えて書きたい子も出てきます。書きたい子は伸ばしてあげたらいいのです。

 

このスピーチ、生徒たちは最初は拒絶します。なぜなら、人前で話し慣れていないからです。ですが、だんだんと『みんなが聞いてくれる安心感』や『自分のことを知ってもらえる快感』を知っていきます。そうすると、多動傾向の子達も落ち着きます。全員に注目してもらえる機会を作ることができるからです。教師もクラスメイトも、自分の話を受け止めて聞いてくれると実感できると、授業はとてもやりやすくなります。

低学力の子、多動の子が参加すると生徒指導もやりやすいです。(とはいえ、一筋縄ではいきませんけどね)

 

と、いうことで、今日は『楽して評価もちゃっかり、作文指導の仕方』についてでした。この方法を小学校勤務時代に思いついていたら…低学年を持っているときにできていたら…と後悔もありますが、中3の子たちでももちろん高校生でも伸びしろは十分あると思います。だって、作文苦手な子ばかりだから(あれ、私のまわりだけ?)…。

 

次回は『作文のお題設定の仕方』について書こうと思います。

読んでいただきありがとうございました!